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【対談】ドラフト答え合わせ ── AIが出した12球団の補強ポイントと実際の指名を、元WBCスコアラー志田宗大と振り返る

ドラフト会議を終えて、AIが出した12球団の補強ポイントと実際の指名を答え合わせ。1位入札は半分が一致。穴を埋めた球団、AIが読めなかった球団、来年に向けた「スター性」の軸まで、元WBCスコアラーの志田宗大と代表の村澤清彰が語ります。

ドラフトを終えて ── 予想外も、予想どおりもあった

村澤:皆さんこんにちは。ライブリッツの村澤です。今日も、元WBCスコアラーで当社のアナリストでもある志田さんと、ドラフトを振り返っていきます。

志田:よろしくお願いします。いや、盛り上がったというか、予想外もあったし、予想どおりもあった。ドラフトってやっぱり面白いなと、改めて思いました。

村澤:まさか、という指名もありましたね。

志田:なかなか想定どおりにはいかないな、というのがありましたね。

ドラフト候補82人をAIでランク付け

答え合わせ①:ドラフト前に組んだ候補82人のうち62人が指名され、ランキング上位20人は全員が指名された。1位指名12人のうち11人は、事前に1位・上位と見ていた選手だった
図:ライブリッツ作成。候補者の評価・想定順位は公開記事にもとづく予想・報道で、NPBのデータから算出したものではありません。

村澤:事前に、ドラフト候補のデータがどこまで取れるかをやってみて、キューステに載せているんですけど、意外とデータが取れるんですよね。

志田:アマチュアの選手ですけど、AIに判定してもらうと、こうやってランク付けができるんですね。

村澤:想定順位や、どの軸に刺さるかを割り当てています。ドラフトの前に、データを入れてやってみました。

志田:大体合っていますよね、これ。注目されている選手は、俗に言う12番目まで、つまり1位指名のところに、AIが判定した中でも大体入ってきている。整合性があるなという感じがします。

村澤:データは公開されている記事から集めていて、身長・体重から、実績、特徴、関心が報じられている球団まで入れています。

志田:AIが拾ってくると、マスコミの情報も入ってくるので、どこまで信憑性があるかという点はあるかもしれないんですけども、そのうえで評価もしてくれるのは面白いですよね。

村澤:スカウトさんみたいな感じですね。

1位入札は、AIの補強ポイントと半分が一致

答え合わせ②:12球団の1位入札と、AI予想(◎○△×)、各球団の最も低い2軸の一覧
図:ライブリッツ作成。8軸のデータはNPB BIP(2026年シーズン終了時点)、一般社団法人日本野球機構(NPB)承認、NPB BIP データ利用。各球団のスコアの数値は省いています。

村澤:では、補強ポイントとの答え合わせです。まず、AIが出した補強ポイントと、実際の指名が合っているかどうか。

志田:前回のYouTubeで予想をやらせていただいて、テレビでもやらせていただいて、結果どうだったのか、というところですね。

村澤:1位入札で見ると、半分くらいが合っています。

志田:1位入札に関して言ったら半分当たっているので、これは結構確度が高いのかな、というところでいいんですかね。データどおりの補強ポイントを指名してきた球団もいる、という感じですね。

村澤:逆に、半分は合っていない。たとえばファイターズさんは、ウィークポイントを埋めるというよりは、二刀流の菰田君を育てる、という指名でした。

志田:そうですね。来年すぐというよりは、やっぱり次を見据えて高校生に行って、次の世代を、という。日本ハムさんらしい指名の仕方かなと思いました。二刀流の実績がある、ノウハウのあるチームなので、二刀流はうちに任せてください、ということで、自信があって行ったんでしょうね。

ジャイアンツさんの1位は「スター性」 ── AIに足りなかった軸

村澤:1位入札で、驚きはありましたか。

志田:驚きは、やはりジャイアンツさんじゃないですかね。AIの判定では打力、得点力が乏しく、特に長打力は、東京ドームを使っている割にはやはり足りていない、と出ていたんですけど、それでも高校生の織田投手に舵を切ってきて、上位を高校生で占める形を取ってきた。この辺が一番の驚きじゃないですかね。

村澤:長打力は、外国人で埋める作戦もあるんですかね。

志田:分からないですけど、FA補強や外国人選手で埋めていこう、という思惑が見えたのかな、というところですかね。

村澤:1位は、話題性やスター性みたいなところもあるんですかね。

志田:ありますね。番組で岩村先輩が、ジャイアンツはやっぱりスターに行くべきだ、という話をされていたのを思い出したんですよ。ジャイアンツは勝たなきゃいけないから、やっぱりバッターでしょう、という話もある中で。ここはズバリ当たったな、と思って見ていました。

村澤:今後は、AIに岩村さんの視点も入れれば。

志田:球団ごとの指名の傾向、というのもあるかもしれないですね。スターとか、アマチュア時代のビッグネームとか。そういう傾向がドラフトには出るのかなと。

村澤:「話題性」という軸を入れなさい、と。

志田:話題性の軸、ありますよね、やはり。

解説陣の仮想ドラフトより、AIのほうが当たった?

答え合わせ③:スカイA「仮想ドラフト会議」の1位入札と実際の1位入札の比較。球団まで当てたのは12球団中2球団
図:ライブリッツ作成。8軸のデータはNPB BIP(2026年シーズン終了時点)、一般社団法人日本野球機構(NPB)承認、NPB BIP データ利用。各球団のスコアの数値は省いています。

村澤:次は、仮想ドラフト会議との比較です。古田さん、岩村さん、山本さん、福留さんが議論して選んだ1位と、実際の1位を並べると……。

志田:全然合ってない(笑)。

村澤:先輩方、合ってないじゃないか、と(笑)。もう1つ、先生方の指名が、AIとどれくらい一致したかも見てみました。

志田:先生方がAIに寄せたんじゃないか、みたいな(笑)。

村澤:AIいわく、先生方はAIに寄っていった。番組の展開的に、寄っていったという感じですね。ただ、実際の指名と比べると、先生方の仮想ドラフトで当たったのは2球団。AIは半分くらい当たっています。

志田:AIの勝ち、ということでいいですか(笑)。でも、二刀流とか話題性のある選手は、やっぱり先生方は見ていましたね。

村澤:AIはAIで、先生方のいいところを取って、ということですね。ロッテさんなどは、入札は外れましたけど、みんなきれいに一致したところです。

志田:僕の古巣のヤクルトさんが議論になったと思うんですけど、僕は野手だと。AIも野手で、データでは絶対野手です、と言ったんですけど、古田先輩には「お前、何言ってるんだ。ピッチャーに決まってるだろ」と。絶対ない、と言われましたけど、来たんですよね、野手が(笑)。

指名は「穴」を埋めに行ったか ── パ・リーグはしっかり埋めた

答え合わせ④:各球団の凹んだ2軸に当たる指名があったか。両方埋めたのはソフトバンク・日本ハム・西武・巨人、片方だけがオリックス・楽天・ロッテ・阪神・DeNA・ヤクルト、どちらも埋めなかったのが広島・中日
図:ライブリッツ作成。8軸のデータはNPB BIP(2026年シーズン終了時点)、一般社団法人日本野球機構(NPB)承認、NPB BIP データ利用。各球団のスコアの数値は省いています。

村澤:ここからは、ドラフトで指名した選手が、今年の穴を埋めに行ったかどうかです。たとえばソフトバンクさんは、いちばん埋めなきゃいけない穴が世代循環で、2番目が先発力。その両方を埋めに行ったのか、片方だけなのか、実は埋めていないんじゃないか、という判定をしています。

志田:足りないところが2つあって、両方埋まったのか、片方だけなのか、埋まっていなかったのか、ここを見れば分かる、ということですね。

村澤:ざっくり言うと、上がパ・リーグ、下がセ・リーグで、パ・リーグは割としっかり埋まった可能性が高い。

志田:面白いですね。ヤクルトさんは、長打力をちゃんと軸として埋めに行きましたよね。外野手の右打ちで、社会人と大学生。即戦力で上位に外野手を2人というのは珍しいですよね。

村澤:セ・リーグでもDH制が始まりますからね。

志田:サンタナ選手がいるので、誰をDHと考えたときに、外野が1つ空く、というところで行った可能性は高いかなと。でも、それにしても上位で外野手を2人というのは珍しい。インパクトがありますね。

志田:実はジャイアンツさんも、先ほど驚きと言っちゃったんですけど、長打力と守備力という面で見れば、実は埋めに行った、という評価なんですね。サプライズで将来のスターを選びつつ、ちゃんと穴を埋めに行っている。

村澤:番組と我々のYouTubeを、どなたか見てくれたんじゃないか(笑)。逆に言うと、広島さんと中日さんは見てくれなかったんじゃないか(笑)。

志田:主力が抜けたところもあったので、なかなかそこはAIでは想定できなかったのかな、というところもありますね。

パ・リーグ ── オリックスさん、ロッテさんはドンピシャ、ホークスさんは両方埋めた

村澤:ソフトバンクさんは、いちばんの弱点が世代循環、2番目が先発力でした。

志田:9人中7人がピッチャーですから。これはホークスさん、多分見てましたね(笑)。世代循環もしっかりで、育成でも入れている。世代循環の投手が課題だったのは、チームも当然分かっていたと思うんですけど、結構尖ったドラフトをしたなと。本当にウィークポイントを刺した。アメリカでプレーしている選手まで指名しましたからね。この辺は、さすがホークスさんだなという感じがします。

村澤:日本ハムさんは、AIは全然ダメでした。バランスが良すぎて、戦力的にはどこも弱点ではなかったんですよね。

志田:いい感じでチーム編成ができている、というところで。逆に言うと、高校生に行って、世代循環に行っている。これは日本ハムさん、結構やりますよね。素材のいい選手を上位に持ってくるやり方は、何年か前にもありましたけど、やっぱり特徴が出ているなと思います。いい素材を取って、育てるんですよね。

村澤:オリックスさんは、先発力と守備力。

志田:守備力はなかなか難しいですけど、先発はしっかり押さえに行った。ドンピシャでしたね。

村澤:ここは完全に、上の2つとも丸です。オリックスさん、見ていただいた(笑)。

村澤:楽天さんは、キャッチャーに行きましたね。

志田:報道にも出ていますけど、FAの太田選手がどうなるかで、捕手が少し足りなくなる。絶対数も足りないですし、高齢化もある。ピッチャーが少し足りないのは分かっているけど、今年はいいキャッチャーが数名出る、ということで、1位で渡部君に行ったのかなと。キャッチャーは今いても、2番手、3番手もちゃんと作らなきゃいけない。今はキャッチャーは1人じゃなく、2人ないし3人必要な時代なので。

村澤:その辺り、AIはまだまだ甘いな(笑)。

志田:結局、この後に出てくるFAの情報は、まだ入れることができないじゃないですか。それは球団の内部でしか分からないことなので。

村澤:西武さんは、ぼちぼちでした。

志田:明らかにピッチャーで行きましたよね。先発はバツになっているものの、川尻選手などは抑えでも全然使えると思いますし、ボールも速いので、適性はあると思います。救援力を押さえた、ということですね。

村澤:次にロッテさん。オリックスさんに続くドンピシャです。

志田:先発が欲しい、ということで、上位3人はピッチャー。大学生、高校生と。バッターは西川選手などの若手が出てきているので、ピッチャーで埋めに行った。先発がどうしても足りないところで、即戦力の米沢投手は先発ができますし、前田投手も高校生ですけど、結構早い段階で戦力になる可能性がある。本来1位でもおかしくない選手だったので、これも大きいと思いますね。

セ・リーグ ── DeNAさん、ヤクルトさんはドンピシャ、AIが読めなかった球団も

村澤:次に阪神さん。ちょっと外してしまいました。

志田:難しかったんですよね。指名した投手は先発ですけど、抑えで使うかもしれない。私も拝見しましたけど、後ろのほうで使えるピッチャーかな、という感じはしました。2連覇していて、次は佐藤選手が抜けることを表明したので、その穴を埋めるために、去年も実は野手を上位で3人取っているんですけど、今年も1位はやっぱり野手から行っているなと。

村澤:ジャイアンツさんは、1位入札では外してしまいました。

志田:長打力という意味では外れましたけど、来年に向けては、村澤さんがおっしゃるとおり、外国人選手やFA補強で補おうとしている可能性もあるので。高校生の中でも本当にトップ層の、誰もが知っている選手を、上位で4人指名してきたなという感じですね。

村澤:先ほども話題になった、スター性を求められる球団ですね。

志田:それがあります。やっぱり話題性ですね。

村澤:DeNAさんは、これまたドンピシャ。上位3つ、明らかに先発を埋めに来ました。

志田:見てましたね(笑)。データを見て、しっかり自分たちの穴を埋めるチームなのかもしれないですね。DeNAさん独自の視点や基準があって、そういう傾向がデータとして出ているのかな、という感じがします。映像だけでは取れない、アマチュア選手の実力や普段の動きを、ちゃんとデータ化しているのかもしれません。

村澤:カープさんは、全然当たりませんでした。

志田:おさらいすると、長打力と出塁力、つまり打力が足りない、というところだったんですけど、山里選手はどちらかというと守備のほうなのかなと。ピッチャーも取ってきたので、打力のある選手を上位には持ってこなかったのかなと。山里選手も打てるとは思うんですけど。

村澤:カープさんの指名は、AIでは予想がつかなかったですね。中日さんも、全然ダメでした。補強ポイントは守備力と救援力だったんですけど。

志田:宮原君は普通に先発ですね。最初の入札がキャッチャーで、要はキャッチャーが欲しかったんですよね、ドラゴンズさんは。石伊選手が2年前にドラフト4位で入って、正捕手をつかみかけているところで、また捕手が欲しい。やっぱりキャッチャー1人では無理だ、2枚欲しい、というところかなという気はします。3位で同じく大学生の、亜細亜大学の前嶋君に行っているので、やっぱり欲しかったんだろうな、と思いますね。

村澤:そしてヤクルトさん。当たりました。ここがいちばん当たりましたね。AIが有名解説者の方に勝った(笑)。

志田:これは難しかったと思うんですよ。ピッチャーなのか野手なのかは、毎年議論になるところで。AIのほうが勝ったな、と。野手から行きましたね。

村澤:前回、打って勝つスタイル、という話もしましたね。

志田:これは分からないですけど、西武さんは再建のときにピッチャーから作っていったと思うんですよ。ヤクルトさんは野手から行っている、逆の感じがします。チームを立て直していくときの、立て直し策として。去年も1位は野手なので、完全に野手から、というのは青木GMの戦略ですね。

AIの予想はどこまで当たったか ── 来年は「スター性」も軸に

村澤:こんな感じで、各球団の答え合わせをしました。ドンピシャもあれば、半分当たった、半分外した、というところもあって。

志田:なんとなく傾向は出ていて、当たったのかな、という感じはしますけどね。ただ、当たったのがいいのか悪いのか。サプライズがあるのがドラフトなので。データどおりにいかないサプライズも必要で、ドラマティックでいいんだと思います。

村澤:いろいろ意見は出ましたけど、AIのほうも、スター性や、チームをどうしていくかという傾向を、来年は入れていきたいですね。

志田:スター性というのは、情報が入ってくるので、たとえば甲子園で勝ったとか、注目を浴びたというところも反映できる、ということですよね。

村澤:そうそう。SNSで何回出てきたか、とか。今回は完全に数値だけで、今年の戦力の穴を埋める、というものでした。FAで選手が出る・出ない、といったところも入っていないので。

志田:来年に向けて、AIを進化させて。いいですね。

村澤:シーズン中も、いろいろやっていきたいと思います。

ドラフト候補82人の一覧は、キューステで

村澤:キューステには、前回の番組で使った軸の作り方や、各球団の補強ポイントが出ています。その中に、今回のドラフトの対象選手もまとめてみたので、ぜひ見ていただければと思います。

志田:ご覧になっている方は、特に自分の応援するチームのどこが足りなくて、どういうドラフトをしたのか。答え合わせというわけではないですけど、来年に向けても面白いと思いますし、ランクや総合力も出ているので、見ていただけると。

村澤:今年注目された選手がどんな選手で、どの球団が関心を示していたかもまとめています。

志田:これはいいですね。関心が報じられていたのは3球団だったのに、DeNAさんはあえてそこに入ってきていなかった、という選手もいる。どの球団から注目されていたかを、まとめて見ることができるんですね。

村澤:ぜひ、キューステで各選手を見ていただければと思います。

(この対談は、2026年10月23日公開のYouTube動画「【元WBCスコアラー志田宗大×AI】ドラフト答え合わせ|あなたの球団の指名はAIの補強ポイントと合っていた?」をもとに、読みやすく再構成したものです。)

【動画】元WBCスコアラー志田宗大×AI ── ドラフト答え合わせ

この対談の動画版です。12球団の答え合わせの表や、仮想ドラフト会議との比較は動画でご覧いただけます。

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【一覧】2026年ドラフト対象候補 82人(キューステ!)

12球団の補強ポイントと、そこに刺さる候補を結びつけた一覧です。候補ごとの想定順位や「刺さる軸」をキューステ!で公開しています。

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【図版】AIで読むプロ野球12球団の補強ポイント(キューステ!)

答え合わせの元になった、8軸レーダーや球場補正のグラフなど、分析の図版7枚を公開しています。

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