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MLBのモーション分析「KinaTrax」でできること|スポーツAI研究

MLBのモーション分析「KinaTrax」でできること|スポーツAI研究

MLBでも導入が進むマーカーレスモーションキャプチャ「KinaTrax」。スタジアムを丸ごと分析ラボに変え、センサー無しで関節や骨格の動きをミリ単位でデジタル化する技術の事例を調べました。(KinaTraxは、KinaTrax, Inc.の登録商標です)

「なんとなく」を卒業 ── 0.1度のズレも見逃さない

これまで「今日はリリースポイントが高い気がする」といった経験則が主流でしたが、KinaTraxはそれを正確な数値に変えます。報じられている例では、不調に陥ったある先発投手について、過去の絶好調時のフォームを3D空間で重ね合わせて比較した結果、投球時に体幹がわずか0.1度単位で傾いていたことが判明。修正後にシーズン後半の防御率が劇的に改善したとされます。人間には見えない「わずかなズレ」をAIが見つけ、修正プランを提示する ── 科学的コーチングの真骨頂です。

再現性の獲得、怪我の予防、そしてスカウティングへ

打者にとっては、捻転差やエネルギー伝達の効率(キネマティック・シーケンス)を数値で確認する「究極の鏡」に。どんな攻められ方をしても理想のスイングを維持する再現性を得られます。怪我予防では、肘にかかる負荷を精密計測し、本人が元気でもデータ上でフォームが乱れ負担が増えていれば登板間隔を調整 ── 目に見えない疲労を検知して大怪我を未然に防ぎます。

さらにスカウティングでは、現在の成績ではなく身体の可動域や特性から「未来の伸び代」を評価。データは「打率・球速」といった結果から、「なぜその結果が出たのか」というプロセスの解明へと進化しています。こうした大型システムの知見は、より身近なツールでのモーション分析(次回テーマ)を考えるうえでも示唆に富みます。

この記事は note「スポーツAIラボ」掲載記事をもとに再構成したものです。元記事(note)を見る →